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序盤を読んでいた時の感想
→シュールマンガ
中盤を読んでいた時の感想
→鬱マンガ
全て読み終えた時の感想
→名作
全13巻を読み終えたときの感想は言葉にはし難い感情でした‥‥!
しかし他のマンガではここまでの深さは絶対に表現出来ない。
そんな名作こそがッ!
おやすみプンプン!!!!
先日kindleで全巻オトナ買いしてしまいました…!
今回はそのプンプンの「アノ」結末について考察していきますよ‥‥!
あらすじと感想プレイバック

まずはプンプンのあらすじをカンタンにプレイバック。
プンプンは周りと何ら変わらない普通の小学生。
少しだけ引っ込み思案で少しだけ臆病な男の子です。
そんな彼の前に現れたのは、転校してやってきた田中愛子ちゃん。
ニッコリ微笑む表情にプンプンは一目惚れしてしまいました。
ーー彼女が自分の人生を大きく狂わせてしまうとも知らずに。
ほんと序盤はシュールなギャグ漫画って感じでしたよね。
浦安鉄筋家族を彷彿とさせる世界観ww
しかし1話、また1話と読み進めていくと、ドンドン歯車が狂っていく。
4巻くらいに到達したあたりで気づきます。
『1巻の頃めちゃくちゃ平和やったやんけ』
プンプンが中学、高校、大学と成長するほどに、彼の中の闇が膨張していくんですよね。
で、その闇は読者も一つ間違えれば体験しそうなリアルな闇。
つまり現実的なんですよ。だから鬱感を感じる。
そして後半10巻に到達したあたりからはもうハラハラドキドキの展開と過去の平和な時期とのギャップがもうたまりません。
物語の雰囲気は闇感MAXなわけですが、読む手が止まりませんでした!
おやすみ プンプンやっと読み終わった😭辛かった、1回読むの断念した程に沁みる漫画でした。結末は読む前にススメて来た人に聞いてたけど、それでも重たい話やったなぁ。
そもそもこの漫画薦める時点でおかしいけど🤔w— ちょび子 (@chobico0521) 2018年5月16日
最近読んだ漫画の中では「おやすみプンプン」が良かった。登場人物みんなどこか病んでいて結末もそうなっちゃうよなって感じだけど実際見せられるとドスンときた
— からめる (@ze321ro) 2016年3月12日
結末はどうなった?

ネタバレが入るのでご注意を。
最終的にどうなるかというと、愛子ちゃんは自らこの世を去ります。
プンプンと愛子ちゃんは逃亡をはかりますよね。
正当防衛でありますが、愛子ちゃんのお母さんの命を奪ってしまった後の展開です。
山の中や田舎町に逃げ込んでいくんですが、愛子ちゃんの精神はもう限界に。
プンプンが少しうたた寝をして起きたときに、愛子ちゃんはもう無残な姿だったわけです。

自暴自棄になったプンプンも、愛子ちゃんのあとを追うように自ら命を捨てようとした瞬間。
南條幸がプンプンを見つけて救うわけです。
このシーンこそこの世からのお別れ、つまり『おやすみ』プンプンというタイトルを表現していて、読んだ時はうわあああー!!!って感じになりました。

そこで物語の9割は終わります。
そして残された1割で締めくくりとなります。
なぜ最後をハルミンで終えたのか?

おやすみプンプン最終話は、ハルミン目線の話で締めくくられます。

そうです、途中で転校してしまったあのハルミンです。
プンプン最終話ではハルミンが語り手となって、1話まるまるを終えるんです。
プンプンが語り手となるならナチュラルですよね。
今までの人生やこれからの想いを語る!みたいな。

作者 浅野いにお先生は、これに関して『プンプンという人間を第三者の目線で見てみてほしかったから』と答えています。
確かに今までは全部プンプン本人の主観による目線でストーリーが展開されてました。
たまに雄一おじさんの目線もありましたが、ほぼプンプンの人生は本人による語りで進んでましたよね。
壮絶すぎる半生を送ったプンプンではあるが、第三者から彼を見たらどう映るのか?
そして、その第三者が「最もまともで一般的であるハルミン」ならどう感じるのか?
これがおやすみプンプン最後の命題なわけです。
最終話を読んだ方ならお分かりの通り、ハルミンからみたプンプンは『普通』でした。
あれだけ壮絶な経験を乗り越えたプンプンの半生も、他人から見れば『普通』。
いや、『普通に見えた』わけです。
しかも最終話でプンプンとハルミンが手を振って分かれるシーン。
プンプンの周りには何人もの人。
対するハルミンは1人。
もしかしてハルミンからすると、プンプンの方が自分よりも幸せとさえ見えたかもしれません。

そしてそれが最後の締めくくりとなることで、なんともモヤっとした気持ちで終わるんです。
いい意味でスッキリしない、現実的ともとれる終わり方。
これぞ浅野いにお先生『らしい』終わり方ですよねえ‥‥
実は最終話には他の結末もあった?

実は浅野いにお先生、もうひとつ別のエンディングも考えてたんです。
その結末というのが…
物語最終盤で、南條幸の子どもが駅のホームに落下。
プンプンはその子を救おうと身代わりになって電車にひかれてしまう。
それで結局『おやすみ、プンプン‥‥』って展開です。

パッと見 バッドエンドなんですが、プンプンからすると意外にハッピーエンドともとれるんです。
今まで彼は、人生において自分の願いが叶ったことは1度もなかったんです。
蟹江さん然り愛子ちゃん然り‥‥お母さんと和解することもなく‥‥
そんな彼が唯一自分で選択し、誰かを救うことで人生を終える。
これはこれでいいエンディングですよね。

浅野いにお先生曰く『スッキリしすぎてしまうから』とのことですwww
確かに妙なスッキリ感がありますよね!
今までのプンプンの闇が帳消しになるようなスッキリ感。
これではいけないと。
プンプンは生き長らえて闇を抱えながら進んでいく。
これこそが最も現実的で闇のある終わり方なんですよね。
流石です浅野いにお先生ェ‥‥!
この事実を知ってからプンプン読むと、
一気に見方が変わりますよ‥‥!
ぜひまた読んでみてくださいね!
さらば!