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言わずと知れた名作『シャーマンキング』
2021年には再アニメ化・さらに『SHAMAN KING THE SUPER STAR』というタイトルで新作連載ということもあり、ブーム再燃の予感です‥‥!
ぼくも再アニメ化の前に『もう一度原作を復習しておきたい!!』と思ったので、1週間かけて全35巻を読破しました。
※原作は32巻で終わるが、完全版の内容を含めてリニューアルされた電子書籍版『SHAMAN KING』では35巻で完結する。
読破する中で、当時の思い出が蘇りましたね‥‥
十祭司‥‥超・占事略決‥‥幻の左‥‥

そんな中、どうにもこうにも理解に苦しむ概念がありました。

それこそが『巫力無効化』

初登場したのは25巻で、『チームThe蓮vsチーム明王戦』のシーン。
「呼ばれた気がした」 pic.twitter.com/x72G3R5iy2
— 武井宏之 (@takeimokei) May 24, 2017
蓮が攻撃を仕掛けますが、明王のヤイナゲは蓮のオーバーソウル『武神』の刃を無効化するわけです。
これ当時の読者からすると『うおお!ガンダーラめちゃくちゃ強いやんけ!オーバーソウル効かんのかいな!!』と胸アツだったものです。
それは当事者の蓮も同じで、『オーバーソウルが無効化されるなど有り得ない‥‥』とかなりショックを受けてました。
で、読者はハラハラしながら読むんですよ。
『ガンダーラ強い‥‥蓮もやられたやん‥‥あれ、チョコラブも‥‥!いや最後にホロホロきた!!!』
そしてホロホロが実は隠し持った一面ありますよ的な展開になって、気づけばチームThe蓮が勝つわけです。
…また数字で負けるとはな… pic.twitter.com/32i9vQzQgS
— 武井宏之 (@takeimokei) January 18, 2017
ここで読者は安堵すると共に思い出します。
あれ?巫力無効化って何だったの???
と!
これ結果的に言うと【最終巻まで読んでもハッキリとは解説されてません】
少年ジャンプ作品らしからぬ、後は読者の考察任せというトリッキーな持っていき方をするわけですね。
しかしそこがシャーマンキングの深みでもある‥‥!
というわけで、今回はこの巫力無効化について調べていきます。
意外と深いんですよこのテーマは…!
巫力無効化の特徴
巫力とはシャーマンキングの世界観においてパワーゲージを測る絶対的な観念。
だからこそ巫力125万のハオは圧倒的マウントがとれますし、巫力108000の葉は絶妙な主人公ポジションで雰囲気を出せるわけです。
そんな巫力が無効化されるとあっては、世界観ひっくり返りも待ったナシ。

ほとんどの読者がそう思いますが、実はそうでもなかったりするんですよね。
作中でのヒントをまとめると巫力無効化とはこんな感じ。
■巫力で作られたオーバーソウルによる攻撃を無効化できる。
■特別な資質は必要はなく『心のあり方』によるもの。
■オーバーソウルは無効化できるが、オーバーソウルによって作られた自然の攻撃(雷や氷など)
は防げない
まとめると、『気持ち次第で今日にでも会得できるガード技!大体の攻撃を無効化できるけど、自然攻撃は防げないから注意な!』ってことです。
格ゲーのガードボタンみたいな感じですね。
例えば先述のチームThe蓮vs明王戦。
蓮は武神でヤイナゲに斬りかかりますが、そのオーバーソウルは無効化。
これはオーバーソウルによる物理攻撃だからです。
しかし武神ユーツーは雷槍というシンプルな電撃技を放ちます。
するとヤイナゲのオーバーソウルであるグンダリは普通にダメージ受けてました。

それはここから考察していきましょう。
中庸=巫力無効化?
ここから巫力無効化とは何なのか?という核心に迫っていきます。
そのヒントは、またしてもチームThe蓮vs明王戦において。
ここでガンダーラは『中庸』という思想を掲げたグループだということが分かります。

中庸とは、善にも悪にも寄らずフラットなポジションであり続ける思想のこと。
この中庸という思想こそが、巫力無効化を語る上で最重要ファクターなのです。

ここで少し時間軸を戻します。
シャーマンキング7巻において、麻倉葉と道蓮が予選通過をかけて戦うシーンがありますよね?
葉くん。はじめてのオーバーソウル。 pic.twitter.com/rd9l5WXiT5
— 武井宏之 (@takeimokei) February 13, 2017
勝敗を分けたのは、葉が蓮の想いや思想を『受け入れた』ことでした。
それにより葉は引き分けまで持ち込みますが、これが実は巫力無効化にたどり着くスレスレのところだったんですよね‥‥。
葉が蓮を受け入れた心の在り方は、先程の中庸に限りなく近いものでした。
蓮を善とも悪とも断定せず、ただ認める。

オーバーソウルとは想いの強さ。
いかに強靭な想いであっても、中庸な思想の前には意味を無しません。
拳と拳がぶつかればどちらかが痛手を負います。
しかし拳を振りかざしてきても、スッといなせばダメージは負いません。
武術の達人なんかがよくやりますよね。
この感覚こそが巫力無効化なんです。

強い想い(オーバーソウル)は、受け入れる思想(中庸)によって、いなす(巫力無効化)ことができるというのが結論です。
一見 最強に見える無効化が、自然系攻撃には意味をなさないのも辻褄が合いますよね。
雷や氷自体には想いはありませんから、どんな思想であっても関係なしにダメージは受けてしまいます。
巫力無効化を使えるシャーマン
全35巻の中で巫力無効化を使用したのが確認できたのは以下のシャーマン
■麻倉葉
■道蓮
■アンナ(vsハオ戦にて披露)
■ハオ(vsアンナ線にて披露)
■ガンダーラ全員(中庸思想なので全員会得済)
割と少ないんですが、主要キャラはそこそこ使えるんですよね。
会得難易度的には巫力遁甲のちょい上といった感じでしょうか。
あんまりみんな使えてしまうと、無効化合戦になってしまいますし‥‥
この巫力無効化、概念を理解した上でもう一度読み返してみてはいかがでしょうか?
新作の【SHAMAN KING THE SUPER STAR】もまだご覧になってない方はぜひ!!
それではまた…!さらば!!